6.匿名化OS/ソフトウェア
6.1. 匿名化OS
6.1.1. Tails
Tailsは使用者がプライバシーと匿名性を保ってパソコンを使えるように設計されたLinuxベースのOS。
Tailsは使用後に履歴を全消去するためコンピューターに操作の痕跡を残すことなく作業が行える。
またインターネットの接続はすべてTorによって発信元の匿名化がなされ、Torを経由しない通信は完全にシャットアウトされる。
またTailsの特徴として以下のようなものが上げられる。
- TorBrowserやPidginなどのアプリケーションを標準搭載している
- デフォルトではブートに使用したパソコンのハードディスクには一切アクセスしない
- USBメモリなどにインストールしてLive USBとして使用できる
Tailsでは永続化ボリュームを使用しない限り、シャットダウンするとデータがすべてリセットされる。
永続化ボリューム
永続化ボリューム(Persistent volume)は、Tailsに設定やその他のデータを保存するために必要なもの。
これは永続保存、つまりTails上に保存されるため扱うにはリスクが伴う。
hostnameの変更
sudo hostnamectl set-hostname localhost
壁紙を変更してwindowsのように見せかける
永続化ボリュームにwindows用の壁紙の画像データを保存する必要がある。
保存したら以下コマンドで壁紙の変更を行う。
gsettings set org.gnome.desktop.background picture-uri '<画像の絶対パス>'
6.1.2. Whonix
WhonixはDebianをベースに作られたLinuxディストリビューションの1つであり、通信経路をTorを用いて匿名化してプライバシーを守ること特徴がある。
WhonixはWhonix-Gateway及びWhonix-Workstationというふたつの仮想マシンから構成されるVirtualBox上で動かす前提のOS。
わかりやすく言うとWhonix-GatewayはTorを経由して匿名でインターネットに接続するためのゲートウェイ、WorkstationはWhonix-Gateway経由でインターネットに接続するための安全地帯のようなものとなる。
また付属するWorkstation以外でも任意のOSを匿名化することができる。
6.1.3. Qubes OS
もっともセキュリティに特化したLinuxと言われ、プライバシー保護やウイルス対策に非常に強いLinuxのディストリビューション。
あのエドワード・スノーデン氏も使用を推奨している。
Xenという仮想化技術を用いてアプリケーションを並列して仮想環境上で実行できる特徴がある。
デフォルトではTorを用いた通信を行えないため、別途Whonix-Gatewayを導入する必要がある。
6.2. モバイル向け匿名化ソフトウェア
6.2.4. Orbot
Android用のアプリケーション。
ほぼすべてのアプリケーションの通信をTor経由に可能。
6.2.5. Orfox
Android向けのTorブラウザ。
Orbotと異なりTorブラウザとしてのみ機能する。
6.2.6. Onion Browser
IOS向けのOSSのTorブラウザ。