11.4. プリンタ管理

11.4.1. CUPS

Linuxディストリビューションでのプリンタ印刷には基本的にはCUPSと呼ばれるシステムが使われる。 CUPSの主な特徴は以下の通り。

  • IPP
    • ネットワーク上のプリンタをサポート
  • PPD
    • AdobeのPPD形式のファイルでデバイスドライバの設定ができる(/etc/cups/ppd/にPDOファイルを格納される)
  • Web画面での設定
    • Webブラウザから設定可能(ポート631)
  • プリンタクラスのサポート
    • 複数のローカルプリンタを1つのクラスにグループ化

CUPSの情報は/etc/cupsディレクトリに格納され、CUPSの設定ファイルは/etc/cups/cupsd.confに保存される。 CUPSの設定方法は以下の2つある。

  • 設定ファイルを直接編集する方法
  • WebブラウザでCUPSの設定ページにアクセスして編集する方法

印刷の流れ

  1. 印刷データ受け取る
  2. スプーラが印刷データを受け付け、スケジューリングを行う
  3. プリンタが直接受け付けられないデータを中間形式に変換
  4. PPDに定義されたフィルタにより、最終の印刷データに変換する
  5. 処理した印刷データをCUPSのバックエンドに送る
  6. CUPSバックエンドは印刷データをプリンタに渡す

11.4.2. 印刷関連のコマンド

lprコマンド

ファイルや標準入力を印刷するコマンド。

lpr <オプション> ファイル名
オプション説明
-# 部数印刷部数を指定
-P プリンタ名指定したプリンタに出力

lpqコマンド

プリンタキューに登録されている印刷ジョブを確認するコマンド。

lpq <オプション> <ユーザー名> <ジョブ番号>
オプション説明
-a全てのプリンタの情報を表示
-P プリンタ名指定したプリンタの情報を表示

lprmコマンド

プリンタキューにある印刷ジョブを削除するコマンド。

lprm <オプション> <ジョブ番号>
オプション説明
-自分の印刷ジョブを全て削除
-P プリンタ名指定したプリンタの印刷ジョブを削除