2.4. カーネルのパラメータ変更

2.4. カーネルのパラメータ変更

2.4.1. カーネルパラメータの設定

カーネルパラメータは以下目的で使用される。

  • 機能の有効化/無効化
  • システムパフォーマンスチューニング
  • システム情報の参照

設定はproc/sys/kernel以下のファイルで設定可能。

2.4.2. カーネルパラメータに関するコマンド

sysctlコマンド

カーネルパラメータを設定/表示できるコマンド。
なお再起動後もカーネルパラメータを永続変更したい場合は/etc/sysctl.confへの設定記述で可能。

sysctl [オプション] [パラメータ]
オプション意味
-a現在利用できるすべてのパラメータを表示する
-p指定したファイルから設定を読み込む(DFで/etc/sysctl.conf)
-wパラメータを更新する

2.4.3. 初期RAMディスク

RAMディスクはメモリ上にファイルシステムを作成する機能のことで、ループバックマウントはファイルをファイルシステムとしてマウントできる機能をいう。
この仕組みを利用してファイルとして用意されたファイルシステムをRAMディスクとしてメモリ上に展開し、そのうえで暫定的にカーネルを起動しその後に本来利用するルートファイルシステムをマウントする起動方法は初期RAMディスクと呼ばれる。

初期RAMディスクのイメージファイルの形式には以下2種類がある。

  • initrd
    • 素のファイルシステムを圧縮したもの
    • gunzipmount -o loopでイメージの確認が可能
  • initramfs
    • cpioアーカイブをgzip圧縮したもの
    • gunzipcpioでイメージの確認が可能

initramfsはinitrdと比べてファイルシステムをドライバが不要、メモリ効率が優れているという特徴がある。
近年ではinitramfsが利用されている。またCentOSなどではDracutユーティリティ(dracut)を初期RAMディスク作成で使用する場合がある。

初期RAMディスクの作成はmkinitrdコマンド、mkinitramsコマンドが利用される。

mkinitrdコマンド

初期RAMディスクの作成コマンド。

mkinitrd RAMディスクイメージ カーネルバージョン

mkinitramsコマンド

初期RAMディスクの作成コマンド。
cpio アーカイブを利用した形式の場合はこちらを使う。

mkinitrams -o RAMディスクイメージ カーネルバージョン

dracutコマンド

初期RAMディスクの作成コマンド。

dracut 出力ファイル名 カーネルバージョン