6.2. 高度なネットワークの設定/トラブルシューティング

6.2. 高度なネットワークの設定/トラブルシューティング

6.2.1. ネットワーク関連のファイル

Linuxのネットワーク関連の設定ファイルに関して記載する。

/etc/hostname

ホスト名を記載する設定ファイル。

/etc/hosts

ホスト名とIPアドレスの対応表を記述するファイル。
記述方法は以下の通り。

# IPアドレス  ホスト名 ホスト名の別名

/etc/networks

ネットワーク名とネットワークアドレスの対応表を記述するファイル。
デフォルトでは未記載。

# ネットワーク名 ネットワークアドレス

/etc/nsswitch.conf

名前解決の問い合わせ順序を記述するファイル。
名前解決の手段は以下の通り。

  • /etc/hostsファイルの使用
  • DNSサーバの使用
  • LDAPサーバの使用

/etc/resolve.conf

問い合わせ先のDNSサーバやドメイン名の設定を記述するファイル。

/etc/sysconfig/network

ネットワーク機能の使用/不使用、ホスト名、デフォルトゲートウェイなどの設定を記述する。
原則RHELL系で使用される

なおRHEL7/CentOS7系以降ではnmcliコマンドでの設定が推奨されている。
またIPv6はNETWORKING_IPV6で有効化できる。

/etc/sysconfig/network-scripts/

ネットワークデバイスの設定ファイルが設置されるディレクトリ。

/etc/network/interfaces

Debian系で使用されるネットワークデバイスの設定ファイルが設置されるディレクトリ。

6.2.2. NetworkManager

Linuxでネットワークを動的管理する仕組み。
設定ファイルを書き換えてもこのサービスにより書き換えられる可能性があるため、設定する際は無効化するかnmciコマンドで設定するといった方法が挙げられる。

6.2.3. TCPラッパ

ネットワークサービスに対するアクセス制御を行うプログラム。 デーモン名はtcpd、使用するライブラリはlibwrapとなる。

TCPラッパーには/etc/hosts.allow/etc/hosts.denyという2つの主要なファイルがある。
/etc/hosts.allowファイルでアクセス許可の設定を行い、/etc/hosts.denyファイルでアクセス拒否の設定を行う。

なお設定ファイルの変更後は再起動しなくても設定は反映される。

これらのファイルの書式は以下の通り。

サービス名 : ホスト名|IPアドレス

具体的には以下のような形となる。

ALL : 192.168.10.0/255.255.255.0 : ALLOW
ALL : ALL : DENY

6.2.4. ネットワークのトラブルシューティング

ネットワークが正常につながらない場合

確認事項は以下の通り。

  1. pingによる疎通確認
  2. DNSサーバの稼働状況//etc/resolv.confの確認
  3. routeによるルートテーブルの確認

上記でうまくいかない場合はtraceroutemtrによる経路確認も行う。

パケット転送許可

Linux OSをルータとして機能させる場合はカーネルパラメータのnet.ipv4.ip_forwardを1にすることでパケット転送を有効化できる。
IPv4の場合は以下で可能。

sysctl -w net.ipv4.ip_forward=1

6.2.5. その他のネットワークのコマンド

nslookupコマンド

DNSでホスト名とIPアドレスを変換するコマンド。

nslookup

digコマンド

nslookupより詳細に行う。

hostnameコマンド

自身のホストに関する詳細を調べられるコマンド。

hostname [オプション]
オプション説明
なしホスト名を表示
-dDNSドメイン名の表示
-iIPアドレスを表示
-fFDQNを表示(完全修飾ドメイン名を表示)
-aエイリアスを表示

nmapコマンド

詳細が不明なネットワークの構造を調査したり、セキュリティ上の問題がないかを検査する目的で、ネットワークのスキャンを行うことができるコマンド。

nmap [スキャンタイプ] [オプション] 対象
スキャンタイプ説明
-sTTCPスキャン
-sUUDPスキャン
-sPPingスキャン
オプション説明
-p対象ポート範囲の指定
-F有名ポートを対象に高速スキャン
-O対象ホストのOS識別を行う