7.4. デバイスの管理/監視

7.4.1. システムログ管理

システムログの概要

ネットワーク機器や端末では大体システムの動作が記録されている。 この記録されたものはシステムログ

システムログの調査は障害発生時刻の動作の確認やその原因の究明に利用できる。

システムログの出力先

システムログのメッセージは以下のような場所に出力される。

  • コンソールライン
  • 仮想ターミナルライン
  • ルータやスイッチのRAM
  • Syslogサーバ
出力先説明
コンソールラインコンソールに出力すると言うもの。デフォルトではここに出力されない
仮想ターミナルラインリモートログインした画面にログを出力すると言うもの
ルータやスイッチのRAMRAMにシステムログを保存することができるが、容量が一杯になると新しいログで上書きされる特徴がある
SyslogサーバSySlogサーバを使用するとネットワークを介してログを送信できる。メッセージはSyslogサーバに保存しログを一元管理可能。SyslogサーバはLinuxなどで建てられる

システムログのファシリティ

ファシリティはログの種類を表す。 Cisco社製のネットワーク機器の場合のログのファシリティはデフォルトではLocal7となる。

システムログのレベル

ログは一般的にレベルが分けられており重要なログの実を選別して調査できるようにしている。

重大度意味説明
0緊急システムが不安定
1警報直ちに処置が必要
2重大クリティカルな状態
3エラーエラー状態
4警告警告状態
5通知正常だが注意を要する状態
6情報単なる情報メッセージ
7デバッグデバッグメッセージ

またメッセージは以下の4つのカテゴリーに定義されている。

  • ソフトウェア/ハードウェアの誤動作のエラー
  • debugコマンドの出力
  • インターフェイスの起動/停止への移行およびシステムの再起動メッセージ
  • リロード要求/下位プロセススタックのメッセージ

システムログの形式

Cisco機器ではシステムログの形式は以下のように表示される。

000022: *Oct 17 13:01:17.295: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console

表示されている例の場合は左から順に以下の通り。

  1. シーケンス番号 … 00022:
  2. 出力日時 … *Oct 17 13:01:17.295
  3. 参照ファシリティ … SYS
  4. 重大度 … 5
  5. メッセージの内容 … CONFIG_I
  6. メッセージの詳細 … Configured from console by console

7.4.2. NTPによる時刻管理

NTPの概要

NTPはUTCという標準時間を把握している時刻サーバと同期をとるように作られたプロトコル。 NTPは123番のポートを使用する。

ルータやスイッチなどのログの管理の際の時刻を厳密に扱うために使用される。

NTPの階層構造

NTPはstratumと呼ばれる階層構造を持っており、最上位のNTPサーバは原子時計などから直接正しい時刻を得て、他の危機はNTPサーバから自国の情報を取得して同期を行っている。

NTP

最大stratum15までNTPサーバを構築することができ、このツリー状の構造によって時刻取得の際の負荷分散が実現されている。

NTPサーバをLANに構築する

NTPサーバをLANに構築する場合は外部のネットワークのNTPサーバへの負荷軽減、LAN内のネットワークに接続していない機器の時刻同期が可能になると言うメリットがある。